涙色パレット
萌が訊ねると、純一は顔を赤くしながら言った。
「君のことが、気になっている。生徒としてではなく……一人の女性として」
その刹那、こぼれていったのは「ありがとう」という言葉ではなかった。萌の頰を伝ったのは、一筋の涙。それは萌が初めて感じた感情によって流したものーーー。
「先生、よろしくお願いします」
萌はそう微笑み、涙を拭った。
「君のことが、気になっている。生徒としてではなく……一人の女性として」
その刹那、こぼれていったのは「ありがとう」という言葉ではなかった。萌の頰を伝ったのは、一筋の涙。それは萌が初めて感じた感情によって流したものーーー。
「先生、よろしくお願いします」
萌はそう微笑み、涙を拭った。