涙色パレット

そんな萌は中学生になり、初めて友達ができた。勇気を出して入った美術部で声をかけられたのだ。

「ねえ！その子って、京アニのキャラだよね？私も京アニ好きなんだ！！」

スケッチブックに萌が絵を描いていた時、不意に話しかけられたのだ。ドキッと萌の心臓が高鳴る。

幼い頃からマンガやアニメが好きで、キャラクターの絵をスケッチブックに萌は描くようになっていた。そのおかげで絵がとても上手になった。

「私、京アニだったら涼宮ハルヒの憂鬱が好きだな〜。あとは、響け！ユーフォニアムとか」

その女子生徒は萌の隣に座り、好きなアニメについて話し出す。萌は緊張しながらゆっくりと口を開いた。

「わ、私も！京アニ好き、だよ。けいおん！とか、聲の形とか、ヴァイオレット・エヴァーガーデンとか……」

「本当！？嬉しい〜！！」

京アニがきっかけで、萌はその女子生徒と話すようになった。女子生徒が話題を振ってくれるため、萌も少しずつ話せるようになっていった。