向かう先はおなじ
「今から向かうぞ~」

「はぁい!気を付けてね。待ってるよ~」

「あいよ~」

あえて電話を切った。

一秒でも、俊と繋がっていたいけど、

もう、私の俊だ。いつでも俊を感じれる。

だから、電話を切り待つことにした。




しかし、緊張しすぎて挙動不審になり

何をどうしたらいいのかわからなくなりそうだ。


一年半前頃だろうか。

この日が来たらあげよう。と思い

リングを買っていた。

私が使うのは左手の中指に。

俊にあげるのは、私の右手の人差し指に。

ずっと付けている。

2つとも中に刻印してあり、

私が使うのには、俊のSと、記念日、桜のS

俊にあげるものには、桜のSと、記念日、俊のS。



どちらにしても、全く同じ刻印に笑ってしまう。
< 120 / 134 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop