向かう先はおなじ
帰りは駅まで送り、

帰り際も、秒すら勿体ないと、ずっと離れず

お互いどこかに触れている。

もう、今日はバイバイだと思うと、

ものすごく寂しいのに、触れられていることに

嬉しくなり、なんとも言えない心境で

心がふわふわする。



俊を車から降ろす時も何度も何度もキスをして。

「じゃ、また来月ね。愛してる。」

「はぁい!来月ね。俊?愛してる~!

気を付けてね!」

「桜こそ!気を付けて運転すんだよ!」

「はぁい。じゃね~」

そう言って車を走らせる。

その瞬間、俊からの電話。電車が来るまで。

ネタは全く尽きず、むしろ時間が足りない

かのようにまた話しだす。
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