あまい・甘い・あま~い彼が見つからなくて
車で来ていた私たちは、荷物を車に置いてそのまま徒歩で移動することにした。

「甘いものは好き?
大丈夫なら近くにいい店があるんだ。いつも混んでてさ、俺甘いもの好きなんだけど一人じゃいけなくてさ。前から行きたかった店があるんだ。
そこに付き合ってもらっていいかな?」

うまく会話ができなくて、私は黙って頷いた。

繋がれたままの手が熱くて、私の気持ちが手から伝わっているみたいで恥ずかしくて仕方かない。

しかも、隣を歩くはるとからも私と同じジムに備え付けられたボディソープとリンスの香りが漂っている。

「なんかさ、二人で同じ香りがしてるよな。…ごめん…俺…あの晩を思いだしちゃってなんか恥ずかしいや」

同じことを考えていた私は、彼の言葉にドキリとした。

意識しているのは私だけではないのだ。

手から伝わる体温は同じくらい高かった。

「すっかりあみちゃん綺麗になってるから、余裕かましてるみたいに見えるだろうけど…俺、むちゃくちゃ緊張して手に汗かいてるよ」

少し頬を赤らめて笑うはるとに私の心臓は大きく跳ね上がった。


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