あまい・甘い・あま~い彼が見つからなくて
「私も…その音聞こえたかも…」

はるを見上げて笑い返すと、繋がれた手が引かれてはるは私を抱き締めた。

「は…る…」

「夢…じゃないよな?
本当に俺の腕の中にいるんだよな…

都合のいい夢を見てるみたいでまだ信じられないや」

はるの胸に埋められた耳には、私以上にドキドキとせわしなく動く心臓の音が聞こえてきて、仕事柄聞きなれた心音より早いリズムに驚いたが、私の心音もすぐに同じ早さでリズムを刻みだした。

だって…

頬に添えられた手が私の顔を持ち上げて柔らかな感触が唇に触れていたから。
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