あまい・甘い・あま~い彼が見つからなくて
「よく、笑うようになって嬉しいんだけど…俺だけじゃなく他の奴等にも笑顔を向けるようになったのは…ちょっと…やけるかな」

指を絡めて繋がれた手がぎゅっと握られた。

イルミネーションの光りの眩しさと同じくらい眩しいはるの優しい笑顔に私は目を細めて彼を見つめて微笑んだ。

「愛美の笑顔をさ、独り占めしたいなって高校の時に思ってたんだよ。
ずっとそう思いながら通学中の電車で眺めてた」

私が知らなかった私との出会いをはるがポツポツ話始めた。

「愛美はたぶん覚えてないだろうけど俺が落とした通学定期を愛美が拾って走って追いかけて来てくれたんだ」

「もしかしてそれで一目惚れ?」

「もちろん!
スッゴい可愛い娘が走って追いかけてきたんだぜ?すぐに恋に落ちるだろ。一瞬告白されるのかとドキドキしたよ」

肩をすくめて笑うはるの言葉に記憶をたどる。

「あっ!」

目をぱちぱちさせ隣を歩くはるの顔を仰ぎ見た。

「えっ?
もしかして覚えてくれてる?」

嬉しそうに満面の笑みを浮かべたはるに私は思わず抱きついた。
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