あまい・甘い・あま~い彼が見つからなくて
「やだよ……。
…っく!…行くっ!私もアメリカに行く!」

止まらない涙に子供のように駄々をこねる私を杏ちゃんが抱き締めてそっと背中を撫でた。

「落ちつこう愛美ちゃん。

ねぇ、なんで愛美ちゃんは医者になったの?
大翔と一緒に居たいから?」

杏ちゃんの言葉に頭をふる。

「大翔にはねずっと大翔が夢見てた医者としての夢があるの。

でもずっと子供の頃から自分の後をおいかけてくる幼馴染みが可愛くて仕方なくて、側に置いて育てたいともおもってた。

颯馬の背中を押してあげたように大翔の背中も押して見送ってあげようよ?」

「いやだよ、大翔と居たいよ」

杏ちゃんにぎゅっとしがみついた。
頭では理解しているが、私の心がついていかない。

はるも私にとって大事な人だか、大翔はやはり他の誰かと比べることなんてできないほど私にはかけがえのない大切な人なのだ。
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