あまい・甘い・あま~い彼が見つからなくて
しがみついていた杏ちゃんの胸をおし、拳で涙を拭うと

「ごめん、私帰る!
病院…大翔に会ってくる!」

立ち上がって上着を掴んだ私の腕を颯馬が掴んだ。

「待てよ愛美!

はるにぃに会ってどうするんだよ。

アメリカに行くなって言うのか?
それとも自分も着いていくって言うのか?

…見合いもするなって泣きつくのか?
愛美、、、、
……陽翔さんは?」

ズキンと胸が痛んだ。

笑顔のはるの顔が脳裏に浮かぶ。
私の大好きな人。
そう思っていたのに、私は…はるも大翔も選べない…。

最低だ…。

「颯馬、どうしたいのか今の私にはよくわからない。

はるは大好きだけど、でも…大翔も私は同じくらいやっぱり大事なの。

答えは出せないから答えを出すために大翔に会ってくる」

私の真っ直ぐ瞳に颯馬はふっと笑うと

「俺は何があっても愛美を応援するから頑張ってこい。

お前はいつも小さい頃から変わらず真っ直ぐだよな」

私の鞄を拾い上げると手に持たせて

「いって答えを見つけてこい」

と肩を叩いた。


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