あまい・甘い・あま~い彼が見つからなくて
「うん。
さっきパパから聞いた」

「そっか。
向こうの大学病院からずっと声がかかっててさ。

心臓外科医として勉強したくてでもその反面、愛美を医師として育てたかった。

でも、もう愛美も一人前に成長したから俺がいなくても大丈夫だ。

それに…愛美の側にはアイツがいる。

だから安心して来月からアメリカにいける」

「えっ!
八月じゃないの!?」

「急遽日程が繰り上がった。

ごめんな、急な出発で」


不思議と涙は出なかった。

あんなに取り乱していた自分が信じられないくらい穏やかな気持ちだった。


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