あまい・甘い・あま~い彼が見つからなくて
同乗した救急車で運転席に座る彼を横目で見つめこんな偶然なんていらないと神様を恨んだ。

いや、どちらにせよ東京に戻ったら探すつもりだった。

あの日…彼の手を離したのは私だ。

三年離島にいた私と違い、東京での三年は多くの出会いもあっただろう。

あの大翔が結婚するのだから陽翔が結婚していてもおかしくない。

キリキリ痛む胸に早くこの息苦しい空間から解放されたかった。

< 93 / 102 >

この作品をシェア

pagetop