愛は惜しみなく与う③

キョトンとした顔の響は、だんだんと眉が下がり泣きそうな顔になる

大丈夫

もう一度そう言うと響は話し出してくれた


「あのさ?俺、杏の友達のこと嫌いになりたくないんだ」

「うん」

「だけどな?あの紗羅ってやつが苦手で。杏の友達だから、酷い態度とらないようにしてるのに、自然と身体が拒否反応おこして…」


だから体調悪そうやったんかな?ずっと顔色悪かったもん。異常に


「わかんねーし、勘違いだろうけど、少し嫌な予感がするんだ。たまに…杏をたまに冷たい目で見てる」


……そっか
冷たい目なぁ
あたしは感じ取れへんけど、でも響が見ててそう思うなら


「ほなあたしも、注意して見てみるわな!」


できるだけ笑顔で答える
そんなあたしを見て響は笑った


「杏ってば、泉と同じこと言うんだな」


不安を吹き飛ばすような笑顔。
あたしはこの笑顔を守ってあげたいって思ってる。
それに全てのことを疑いながら、慎重に行動していかなあかん事も、分かってる


「響のそういう勘も信じてる」

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