愛は惜しみなく与う③
確かにあたしに向けられた小さな殺気
咄嗟とは言え、なかなかの力で跳ね退けられたけど……紗羅ちゃんこんな力あったっけ
ぐるぐると頭の中で思考が巡るが、今あたしがすべき事は分からない
「杏ちゃん?どうかした?」
「いや、めちゃうなされてて汗掻いてたから。心配してただけ」
まぁこれは事実やし…
「え?ほんと?ごめんね…初めての場所っていつも寝付けなくて…」
杏ちゃん早起きだなぁ。そう携帯を見て笑っていた。そんな紗羅ちゃんの携帯が光る
過剰な反応
「電話?でても大丈夫やで?」
「んーん。いいの。大した用じゃないから」
携帯の画面を裏返してニコリと微笑む
なんや?何が目的や?
烈火か?
はぁ
疑心暗鬼ってこういうことを言う
「あたしシャワー浴びるわ」
部屋についたシャワールーム
シャワー浴びひん。とりあえずこんな事考える自分が憎いけど、疑ってしまう。
紗羅ちゃんは?烈火の敵?それともあたしの敵?
あたしを睨んだ紗羅ちゃん
あの目は、憎い人に向ける目やった