愛は惜しみなく与う③
「別に何か探ってる訳でもないとは思うけど、あたしに恨みあるか、なんかそんな感じがする」
「どこで感じた?」
「昨日さ、なんか恋話してきてん、紗羅ちゃんが。なんかそん時……怖かった。あたし関係ないのに、すごく責められてる気がした」
紗羅ちゃんは初対面やんな?なんかよく分からへんくなってしまう。
「幼馴染が好きらしい。でもその幼馴染は、彼女もいて、それに加えて、他に好きな人も居るらしい。その話をしてくれたんやけどさ?なんか…
幼馴染が好きやから、その人のために生きてるって…その人の為ならなんでもできる。
紗羅ちゃんがそう言ってあたしを見た時、すっごいゾクってなった。
あれは、なんでか分からへんけど、あたしに敵意がある目やった」
それに…紗羅ちゃんの名前のこと…
コレに関してはまだ黙っておこう。混乱させる可能性あるし、今はとりあえず、泉にも紗羅ちゃんの行動を見ていてほしい。
「あたしはいつも通り接するから。みんなに危害加えへんねんたら、旅行終わってから対応したい」