愛は惜しみなく与う③

「冷静じゃない状況?これ以上なんか起きる?」

少し笑ってしまう
こんな、出会いから仕組まれてた可能性があるってのを理解しても、冷静や


「乱されることはないよ」


階段から立ち上がり、雲間から太陽が差すのを眺める。
どんどん天気が悪くなってきてる


「昼過ぎには降るかもな」

「せやなぁ」


さ、どうしようかな、今日は
かき氷は午前中に行こうかな。いや、予約は夕方って言ってたか…


「杏、これだけ聞いて」

「ん?」


振り返ると優しく笑う泉がいた



「いつでも味方だから。1番に思い出してくれ」


うん。そう答えた
1番に思い出す…

それはできてると思うけどな

紗羅ちゃんのことも確信ないけど、泉には伝えようと思ったし


「朝飯の時間だ。行こう」


朝はバイキングらしい。パンも手作り!
とりあえず旅行は楽しまなきゃ!せっかくみんな連れて来てくれたんやし。


「かき氷の時、俺も離れて付いて行く」


謎のストーカー宣言を笑顔でして、泉は非常階段の扉を開けた
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