愛は惜しみなく与う③
本当の意味ではって何?
って言うか俺…

杏に助けてもらった話し、してない

いや、そこは杏が話したのかも

それにしても……さっきのゾワっと鳥肌の立つような感覚

これは一体何なんだろうか
身体が拒否反応を起こしているのが分かる。気を抜いたらいつものように過呼吸になりそうだ

やば…


「おい、大丈夫か?腹いてぇ?」


ふわっと倒れそうになる所に朔が来る。身体をさりげなく支えてくれて、体勢を持ち直した

朔は心配そうに俺の顔を覗き込む


「宿戻るか?」

「んーん。昨日あんまり寝れなかったから、少しフラっとしただけ」


朔に心配かけないようにしないと。
あれでも勘はいい。何か勘付いて、すごくストレートに長谷川がいる所で、聞いてきそうだから…

タッタと杏も走ってくる

カッパを着ているからか、どうしても幼く見える

その姿を見て笑ってしまった


目の前に現れて、笑われたもんだから、杏はキョトンとして、何がおもろいの?と尋ねる

はぁ

よかったよ、初めて守ってあげたいと思った女の子が杏で。本当によかったよ
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