愛は惜しみなく与う③
ふわふわの氷にスプーンを通して感激した
やべ、うますぎ
わーわーきゃーきゃー言いながらみんなで食べていると店主がくる
「海斗くんのところのバイトさんだってね?たまに夏は海斗くんの店にかき氷も出させてもらってるんだよ」
優しい顔のおじさんが、よろしくねと声をかけてくれた。
海斗さんは……卒業してすぐに烈火を辞めて、遠いこの地に来た。
そして今はこうやって自分で店をやり、宿も経営してる。
羨ましい
俺は卒業したら、こんな風に社会に出れる気がしない。
烈火を抜けるなんて
考えたことなかった
「おい!メロンくれよ!」
いいよと言い終わる前に、朔にシロップのかかった美味しそうなところを取られる
ま、うまいうまいと喜んでるからいっか
ネットで有名になるのが分かる美味しさだった。氷から美味しいのかな?
「美味しいなぁ!ふわふわやし、最高や!響、イチゴ食べる?」
はい、あーん
とスプーンを口の前まで持ってくる
なんだろう
恥ずかしい気持ちになるのは普通だよな?
そして朔の視線が突き刺さる
う…食べにくい…