愛は惜しみなく与う③
「あれ?イチゴ嫌いやっけ?」

間が空いたので、杏はスプーンを少し引っ込めるが、せっかくの好意なので、顔を近づけて一口食べた



「あ、おいし!」


イチゴのシロップも、もちろん店主の手作り。とても美味しい!甘酸っぱい感じが最高!


おいしいよなーと笑う杏と、『間接キス』と口パクで伝えてくる朔……

考えてなかった


き、キス…

「赤くなんな、ばーか!」

机の下で朔に蹴られる。いてーな!ほんと容赦ない…
根に持つだろうから、素直になれない朔にも、俺から頼んでやろう…


「杏!朔もイチゴ食べたいってさ!」


根にもたれたら困るもん。
俺の言葉で、目を大きく見開いて、ばか!お前!と言いたげな顔の朔に、杏はスプーンを差し出す


「朔もイチゴ好きやっけ?はい、どーぞ」


スプーンを2秒くらい見つめて、朔は口に含む。

あ、面白い。
今この瞬間に、新の気持ちがわかった。


『杏の行動に照れたり、杏が好きで、ドタバタもがき苦しんでる3人を見るのは、愉快で楽しいものです』


そう新は、前に行っていた
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