愛は惜しみなく与う③

え?腹?

「お腹痛いの?」

お腹を抑える杏の背中に手を添える
もしかして、かき氷で冷えたの?どこか座るところを…そう思ってキョロキョロすると、バッと杏は顔をあげる

び、びっくりした…


「アカン!めちゃ痛い!みんな先ウサギと遊んでてーーー!」


大きな声でそう言って、元来た道を逆走していく杏

ちょ、ちょっと待ってよ!

突然走り出して、前の二人も驚いて振り返る。

かき氷屋でトイレ借りるのか?てゆうか女ってもう少し腹痛くてトイレダッシュするときって、恥じらって、控えめにするんじゃねーの?

別に杏だからいいけど


「杏!一人はダメだって!」


追いかけるが、なんせ杏は足が速い…
ちょ、速すぎる…

なかなか縮まらない距離。
腹痛くてトイレダッシュしてるのは分かるけど、そんなに走ったら…出ないか?

変な心配をしながらたどり着いたのは、かき氷屋近くの駅のトイレ


人も多くて、さすがに女子トイレに駆け寄るのは出来ない…

杏はたしかにトイレに入った

出てくるのを待つか…
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