愛は惜しみなく与う③
ゆるい話を聞いていると、少し落ち着いてきた
「杏ちゃんは、誰の顔が1番タイプ?」
「え?あたし?」
あたしは新くんだなぁ〜と紗羅ちゃんは言う
顔か…顔…
顔?
なんかこいつらがカッコいいのは分かるけど、もうそう言う感じで見てないから、いざ顔で選べと言われると悩む
あたしってどんな顔がタイプなんやろ?
「俺はー?」
ニコニコと男前スマイルの慧
いや、かっこいいよ、みんな。と回答すると、そういうのは求めていないと言われる
んーーーーーー
散々悩んだ挙句、1番好きな顔が浮かぶ
「響かな?」
そう言うと通路を挟んで隣に座る響が、ええ!?と声を上げた
いや、驚く事?
多分あたし、ちょっと可愛い顔が好きなんやと思う
「俺だとは思わなかったから、びっくりしたよ」
ふにゃっと笑う響
ほら、可愛いやん。抱きしめたい衝動に駆られる
「杏、2番目は?」
へ?
隣を振り返ると、目を瞑っていた泉がそう尋ねてくる。
起きてたの?
ってゆうか2番目?