愛は惜しみなく与う③
「呼ばれると思ってたろ!」
「るっせえ」
「えー俺は何番目?」
こちら側は何らや盛り上がるが、順位なんて決めれへん
1番は?って言われたし、好きな顔ゆうただけ。
「人の顔に順位付けれる顔してへん」
超絶美人やったら、全員に順位つけるわ、うん。
とりあえず話題的に面倒なことになりそうやし、あたしは目を閉じた
必殺寝たフリ!!
寝たフリのつもりが、本気で寝るのが、このあたしだ
夢は見なかった
ただただ眠った
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「おい、朔あの時なんだったんだ?」
「……しらねー。物凄い力で突き飛ばされた」
「それは見てたらわかった。表情は?」
泉に問われて、少し黙ってから口を開く朔
「すげぇ泣きそうな顔で、震えてた」
そうか。
一言呟いて泉は目を閉じる
組んでいた腕を解いて、携帯に手を伸ばす泉は、隣の杏を起こさないようにゆっくりと動く
窓際に座る朔も、少し心配そうに杏を見る
「俺何かしたかな」
「ちがう。お前が悪いわけじゃない」