愛は惜しみなく与う③
「あんたな、もうちょっと全てにおいて控えめに行動できひんの?」
「はぁ?」
タオルの隙間から顔を覗かせる朔の頭を、一回小突いてタオルを奪う
「返せよ」
「ええから、かして?」
朔の頭をがっしり固定して、髪を拭いてやる
「や、やめろよ!!」
ジタバタ抵抗するが、力ずくで抑える。だいたいなぁ、頭拭くだけで、こんなに廊下とかビチョビチョにされたらたまらん!
「こうやって、頭押さえて、髪挟むようにして、パンパンするの!あんたみたいに、ワッシャーって乾かさへんの!」
「わーったから!」
そういう朔に腕を掴まれて、手を止められる
あたしは前から朔を抱きしめるような形になっている。
えっと……
「お前のたいして無い乳が当たってる」
そう耳元でボソっと言って朔はあたしから離れた
なんやと?
「乳があるから当たるねん!ドアホ!」
失礼なやつめ、ふん!
冷蔵庫から水を出して飲むと、すこし火照った身体がヒンヤリとして気持ちがいい
「ほんで、なんでこんな時間にシャワー?」