愛は惜しみなく与う③

「無事でよかった」


本当に心配した。まじで焦らせんなよ。
怒りながらもあたしを慰めてくれる。


「殴られたん?」


朔の目元が少し切れている


「いたかねーよ。それよりも、上行くぞ」

「うん。海斗さんに車も頼んだから。早く帰ってゆっくりしようよ」


響においで?と手を差し伸べられる


でも



「泉は?」


この期に及んで負けるだなんて思ってない。
そうじゃなくて


「一人で大丈夫?」


なんだかとても不安なのだ

あたしがそう言うのは分かってた。とでも言いたげに、朔は話し出した


「俺が残るから。響は杏つれて上行って。あいつ止めれるの、俺くらいだから」



泉をとめれる?どう言う事?

響に手を引かれるが拒む


「杏?」

「あたしも、戻る」

「おい、そんな目に合ってまで、ここに残る必要ねーんだよ」


無理矢理でもいいから連れて行けよ!朔は響に怒って、少し困った顔の響に、行くよ?と声をかけられる

ちゃうねん


「なんか、側に居なあかん気がする」


あたしの予想やけど。
泉は……


「はぁ…怪我してもしらねぇからな」

< 203 / 410 >

この作品をシェア

pagetop