愛は惜しみなく与う③
「無事でよかった」
本当に心配した。まじで焦らせんなよ。
怒りながらもあたしを慰めてくれる。
「殴られたん?」
朔の目元が少し切れている
「いたかねーよ。それよりも、上行くぞ」
「うん。海斗さんに車も頼んだから。早く帰ってゆっくりしようよ」
響においで?と手を差し伸べられる
でも
「泉は?」
この期に及んで負けるだなんて思ってない。
そうじゃなくて
「一人で大丈夫?」
なんだかとても不安なのだ
あたしがそう言うのは分かってた。とでも言いたげに、朔は話し出した
「俺が残るから。響は杏つれて上行って。あいつ止めれるの、俺くらいだから」
泉をとめれる?どう言う事?
響に手を引かれるが拒む
「杏?」
「あたしも、戻る」
「おい、そんな目に合ってまで、ここに残る必要ねーんだよ」
無理矢理でもいいから連れて行けよ!朔は響に怒って、少し困った顔の響に、行くよ?と声をかけられる
ちゃうねん
「なんか、側に居なあかん気がする」
あたしの予想やけど。
泉は……
「はぁ…怪我してもしらねぇからな」