愛は惜しみなく与う③
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走りたそうなメンバーを杏が呼ぶと、待ってましたと言わんばかりに、走っていく

ひゃっほーい!楽しい!空気もおいしい!気持ちいい!!

そう叫んでいる


元気そうで何よりだ。それにあいつらも、アホみたいに楽しそうた



快晴で雲ひとつない天気

正直暑いけど、カラッとした暑さで、清々しいくらいだ


「お前、荷物もってないのせこい!」

「ふん!花火もってるもーん!」


送迎のバス乗り場まで競争と言わんばかりに、猛スピードで走っていった


「……さっきまでの空気が嘘みたいですね」

「まぁあれが…杏の良いところだろ」


切り替えがすごいっていう。
あのままテンションが低いままじゃないところが、さすがだ

きっと俺たちに気を遣わせないように、頑張って振る舞ってるんだろうな


まぁ…今は、そんなこと考える暇もないくらい、楽しんでそうだけど


4人の姿が小さくなるが、声はまだ少し聞こえる


「ねぇ、泉先輩は杏ちゃんが好きなんですか?」


……そうか。こいつもいたか
忘れてた
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