愛は惜しみなく与う③

どう思ったって


「……なんでそんな事になったんだろうって、俺は思った」


信じる信じないとか、あの時はどうでもよかった。なんでそんな状況になる?
普通に過ごしていたら、絶対に巻き込まれる事はない事件

詳しく聞かされずに、その事実だけ告げられていたから、なんでだろうか。理由が知りたくて仕方がなかった



「素直な意見だな。俺もそう思うよ。なんでこんな小さな少女に、何もかも背負わせるんだろうって、昔から思ってたよ。

でもな、あの事件は、ただ妹が殺された訳ではない。」


「サトルが杏に執着しているって聞いてる」


「そうだな。執着ってゆう言葉では片付けられないくらいだ。どうしたら解放されると思う?」


「……サトルを捕まえる」




「甘いんだよ、そこが。あんた達に杏を任せれない理由は、そこだよ」


杏の首の後ろに腕をいれて、上半身を起こすその動作は、手慣れたものだった





「サトル殺さなきゃ、終わんねーんだよ」



私は、杏様のためになら、この手を血で染める覚悟はできているのです。


そう付け加えて


杏の額にキスをした
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