愛は惜しみなく与う③
ただ杏を主人公にするのであれば、これは恋愛ものではなくて、青春ものだと新は笑っていた
たしかに。そう思った
「杏ちゃんともっと仲良くなりたいな」
笑顔でそう言った長谷川
それを合図に、バスターミナルまで歩き出す
新は海斗さんと連絡を取ってくれている
あーーまずはどうするかな
海いくか?BBQの準備もしていかなきゃいけねーし。先行ったメンバーが今何してるのかにもよるか
もう海パンになってしまいそうな勢いの朔がいるから、先に海の方がいいかな
ぼんやり考えていた
ほんと、何気なく後ろを振り返った
「どうしたの?」
長谷川と目があった
目があったというか、こいつは俺を見ていた。
ニコッと笑う笑顔がなんだか胡散臭くみえてしまう。
やべ
一瞬、はぁ?って顔した気がする
あんまりおかしな行動はしないつもりだったのに
なんだろうな
一歩一歩あるくが、背中に視線が刺さっている気がする。これか?響の言う違和感は
いい気はしない
けど、特に害もないってのが事実