愛は惜しみなく与う③

ただ杏を主人公にするのであれば、これは恋愛ものではなくて、青春ものだと新は笑っていた

たしかに。そう思った


「杏ちゃんともっと仲良くなりたいな」


笑顔でそう言った長谷川
それを合図に、バスターミナルまで歩き出す

新は海斗さんと連絡を取ってくれている

あーーまずはどうするかな
海いくか?BBQの準備もしていかなきゃいけねーし。先行ったメンバーが今何してるのかにもよるか

もう海パンになってしまいそうな勢いの朔がいるから、先に海の方がいいかな


ぼんやり考えていた

ほんと、何気なく後ろを振り返った




「どうしたの?」



長谷川と目があった

目があったというか、こいつは俺を見ていた。
ニコッと笑う笑顔がなんだか胡散臭くみえてしまう。

やべ

一瞬、はぁ?って顔した気がする
あんまりおかしな行動はしないつもりだったのに


なんだろうな
一歩一歩あるくが、背中に視線が刺さっている気がする。これか?響の言う違和感は

いい気はしない


けど、特に害もないってのが事実
< 23 / 410 >

この作品をシェア

pagetop