愛は惜しみなく与う③
「泉!みて?崖あるで!飛び込みできるやん!」
「うん、そーだな」
食いつくところはそこなんだな?
みんなきゃっきゃ言う中、長谷川だけは、少し浮かない顔をしていた
どうかしたかと、聞く義理もないが
聞いてくれと言わんばかりの顔
ま、聞かないけど
「さぁ、ここが泊まる宿ですよ!皆さままずは部屋に荷物を入れましょう」
宿に近づくと、先に来ていたメンバー達がいる。こちらに拓也がフラフラと歩いてきた
「た、助けてください。あのひと人使いが荒いです…うぅ総長…」
「……悪かった。みんな遊んでこいよ。海斗さんには俺が話しておく」
いいんですか!?と目をキラキラさせて涙を流す。あの人よっぽどコキ使ったな?
海斗さんは人使いが荒いなんてもんじゃない。
ほんと人間のやり方とは思えない時がある。それもあの人のいいところだけどって俺は思うけど…
下の奴らからしたら、たまったもんじゃない
ちょうど噂の海斗さんが、水着にエプロンという、不思議な格好で登場した