愛は惜しみなく与う③

「おー!おつかれ!長旅だったなぁ」


笑顔でこちらに向かってくるついでに、ちゃっかり杏の肩に手を回す

おいおい…

ニヤニヤしたまま俺たちをみる海斗さん

ほんと、こういうとこだよな…
すぐ人を煽る癖をどうにかしてほしい。よくこれで経営できてるよな

海斗さんのせいで、昔何回も危ない目にあった


「なんかあれですね?変態っぽい格好ですね」


杏は特に顔色を変えることもなく、じーっと海斗さんをみてそう言ったもんだから、流石に笑ってしまった

海斗さんは、ストレートすぎて気持ちいい!と自分の体を抱きしめていた。
それをまた杏は、少し引いたような目でみる


「今ね、海の家で、必死に食べ物売ってるんだけど、こいつら役に立たなくて…」


海斗さんは拓也や、先に来てたメンバーを指でさす。

売り子の手伝いさせられてたって訳か。
ってことは…


「お前ら、その顔に生まれてことを誇りに思え」


ガッシリ肩を掴まれた
嫌な予感的中

こうして俺たちは、更衣室に突っ込まれて、水着に着替えさせられて、そしてエプロンまで渡された
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