愛は惜しみなく与う③
「杏、なんかドタバタして言い損ねたけどさ?」

「へ?なにー?」


少し改まって朔は話し出す


「今回のこと、ごめん。俺、あーなるまで長谷川がそんな奴だなんて気付きもしなかった。泉には、顔と態度にでるから、俺に教えなかったって。

でも俺が知ってたら、あの時にもっと警戒できたし、杏を…傷つけなくて済んだのに」


悔しそうに俯く朔
あたしは無意識に朔の頭に触れた



「違うよ。あたしが様子見るって言ったから。ちょっと友達できたかもって浮かれててん。あたしのせいやで。朔は悪くない」


「いや、杏のせいじゃないよ。俺たちが弱いから。ごめん」


日頃弱気なことなど言う事はないのに。あたしは朔はに言わせてしまった。

違うのに



「あたしな?ほんまやったら、今頃精神的におかしくなってると思う。けどこうやって、あんな事はあったけど、普通にみんなと話せてるのは、みんなのおかげやで」


あたしは少し強くなれた気がする


まだまだやけど、みんなと一緒に強くなれてる気がする。


みんなの存在が、強くしてくれる
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