愛は惜しみなく与う③
無視して再び眠ろうとすると
今度は、けたたましい音が耳元で鳴る
驚いて飛び起きると、フライパンにおたまをぶつけて、コーンコーンと煩い音を鳴らしている志木がいた
いや、どこの古典的な漫画風景じゃ
「だーーー!わかったわかった!うっさい!」
あまりにも煩いからベッドから降りると、志木は笑顔でお待ちしてますね。と言い、部屋から出て行った
志木の毎日は早い
毎日しっかりと朝ごはんは欠かさない
あたし以外みんな起きてるってゆうてた?きっとあんな感じで起こされたんやろうな。可哀想に…
夏休みとか、昼までみんな寝てるのに…
洗面所で顔だけ洗ってリビングに行くと
面白い光景が飛び込んできた
ダイニングテーブルに座るみんなの首元には、白いナフキンがついている。
寝起きだからか
朔と響は白目の半開き
泉は1点をボーッと見ている
慧は、ふぁぁと寝癖のついた髪を触りながらあくびをして
新は……
「お味噌汁だけよそいますね」
志木のお手伝いをしていた