愛は惜しみなく与う③
「助かります。杏様もおきましたので、全員分お願いします」

「朔はネギが嫌いなんですが…」

「ええ、知っています。だからネギの味噌汁にしました」

「…なるほど」


志木の意地悪を特に気にしない様子の新は、せっせと6人分の味噌汁をよそう

志木は作った時に1人で済ませたらしい


なんや、この光景は



机の上には豪華な朝ごはんが。どこの料亭の朝飯や!ってツッコミ入れたくなる


「牡蠣の炊き込みご飯にしましたよ。杏様の大好きな」


「…あ、ありがとう」


最近は朝は食パンと牛乳!とかそんなんしか食べてなかったから、胃がびっくりしそう



「では、皆様どうぞ」


志木の声で全員いただきます。と言って食べ出した

いや、美味しいけどさ?美味しいねん、それは分かってるねんけど



「あんた、ちゃっかり馴染みすぎちゃう?」


昨日遅くに帰ってきて、志木はみんなに名前だけ名乗って、外へ出て行った。
きっと買い物でもしてたんだろう。24時間スーパーを探して……

はぁ


「朝から美味しいなぁ」

< 315 / 410 >

この作品をシェア

pagetop