愛は惜しみなく与う③
「てゆうことで、夏休みの間、よろしくお願い致します。私のことは、気軽に志木と呼んでください。約1ヶ月間、家事などはお任せくださいね」
……はぁ
全員目の前に出されたご飯をモグモグと食べている。そんな中、1人だけあたしの隣に立つ志木は、自己紹介をする
志木をポカンと見ていた響は、お箸から漬物が落ちて、ペチャっと床に落ちた
「わぁ、ごめん」
下を覗き漬物に手を伸ばす響よりも、先に動いたのは志木
「汚れますので」
サッと持っていたハンカチで漬物を拾い上げて、床を違うウェットティシュで拭き、そして、朔のお皿に新しい漬物を置く
その一連の流れを全員が見て「おおぉ…!」と拍手
それを見て志木もドヤ顔
なんやこれ
「すげー!杏の執事すげぇ!」
響は目をキラキラさせてる。相変わらず可愛いなぁ響は。こんなドヤ顔してる奴のどこが凄いねん
「ご飯もすごく美味しいです」
「片付け俺らしますね」
新も慧も普通に志木と話している。
うん、みんな突然来る人に対しての免疫すごくない?