愛は惜しみなく与う③

さすがの鈍いあたしでもわかる。
裸にエプロン着てるみたいに見えるやつやん!!

「いや!」

エプロンを海斗さんに突き返すが、お願い!と言われ、また突き返される


さすがにナイ!
いくら今晩のBBQが豪華になるからって、絶対せーへん!

朔や慧、それに他のメンバー達にもお願い、着ろ!と声が飛んでくるが、無視する

こいつら楽しんどる


「そんなにあたしに着せたいなら、勝負せぇ!力づくで跳ね返したるわぁ!」


と意気込んだ瞬間に、目の前が真っ白になる。

え?


「泉に怒られる前に、やめようか」


そう言い、近くにいた海斗さんは、あたしから離れた。
もぞもぞしているとようやく視界が……


「ん?なにこれ?」


あたしの首にはダボダボの白いTシャツが。
目の前には泉と、苦笑いするみんな

えっと?着せてくれたん?


「着とけ」


「あ、りがとう」


首だけ通されたシャツ
あたしはそのTシャツに袖を通した


「でかい…」


太腿あたりまでかくれるTシャツ。もはやワンピースみたいな丈や
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