愛は惜しみなく与う③
----

えっと

俺まだ志木さんと、2人で話す勇気ないんだけど?
杏ちゃんのこと好きなやつ言えって言われて、名乗り出たけど…

いい風に思われてない気がする…

これ、怒られるのかな


突然志木さんに、荷物を一緒に取りにきてくれと言われたけど。
俺の必要性…

って馬鹿みたいに考えてるのは、俺だけだった



「すみません、急に。あなたがこのマンションの住人の男を気にしていたと…杏様に聞いていたので」


「え?」


そして直ぐして気づいた


「あの男ですか?」


そう。杏ちゃんのことを気にかけていた、5階の男。そしてこの前…エレベーターで一緒になって、違和感だらけだった男


「あなたはどうして気づいたんですか?」


みんな特に気にしていない様子だったけど
俺は分かるんだ


「胡散臭かったんですよ。笑った顔も、嘘だった。だから見た瞬間から、違和感がありました」


俺がたまにする、あの胡散臭い笑顔
それと同じだったんだ

志木さんはそれの事を俺に聞きたかったのか。
< 341 / 410 >

この作品をシェア

pagetop