愛は惜しみなく与う③
最後の話し合い
「ほんで、どこ行くの?」

「んーー」


ついてきて。
そう言う泉についていって、無言で歩く
暑いけど、泉の隣は居心地は悪くない

そして歩いて気づいた



「紗羅ちゃんのところ?」



駅の方に歩いて、その裏の道を通った時に気づいた。紗羅ちゃんの家の方だ

あたしはあの後の水瀬や紗羅ちゃんがどうなったか、詳しく聞いてない


聞かなあかんのに逃げてた



「ごめん、あたしから言わなあかんかったのに」

「ん?大丈夫だよ。杏は嫌か?会わせるか悩んだけど。杏も…話したいだろ?」

「うん、せやな。紗羅ちゃん怪我とかしてない?」

「俺らが…手を出した怪我はしてないけど」


そりゃそうか
水瀬とかに酷いことされてないといいけど


「まぁ無事だ。家からあんま出てないみたいだからさ。あのまま、くたばられても困るから」


冷たく言うが、泉はあたしと紗羅ちゃんのことを気にかけてくれてるんだと思う。


「ありがとう。もっかいちゃんと話したかったから。助かるわ」


あのままは後味悪すぎるし…
あたしほんま人間不信なる
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