愛は惜しみなく与う③
すぐに泉と拓也が入口までくる


「おい…ちょっと落ち着け」

「ごめん…」

過敏になりすぎてる。すっごいしんどい
あの後から、何もかも疑ってしまったり、少しのことに過剰に反応してしまう


「拓也、アキラつれて、お前ら少し休憩してこい。俺と杏がここにいるから」


泉はそう言って、拓也に財布を渡してる。いやいや、男前か

受け取った拓也もアワアワしてるやん


「冷たいもん飲んでこい」


2時間くらいしたら、戻ってきてくれと。
拓也もアキラも頭を下げてその場を離れた。


「泉、財布とか渡す男前な感じなんやな」

「ん?この見張りバイト代も出ねーからな」


まぁそやけど
見慣れたアパートに、見慣れた扉
何度か来た紗羅ちゃんの家

入る勇気がない


「俺話してきていい?」

「何話すの?」

「ん?んーー杏のこと虐めたし、しめようかと」


真顔でそう言う泉に吹いてしまった
そんな事思ってへんやろ!


「分かった分かった、お願いやし一緒に行ってくれる?」


泉が紗羅ちゃん、しめてるの見たくないし
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