愛は惜しみなく与う③
そこまで言うなら覚悟はできた


「分かった、ほなもう見張りもつけへんし、好きにして。もう終わり」



これであたしと紗羅ちゃんの関係は断ち切れる

悲しくないと言えば嘘になるけど。
あたしは、こうやって、関わる人たちを選んでいかなあかんから


「最後にいい?」


本当に何も…まったく知らないのか
首を傾げた紗羅ちゃんに問う


「椿と、姉妹やってんな?ある施設を調べて、誰がどの家庭に引き取られたかって、調べれるねんけどさ。
どうしてもサトルの履歴が見れへんねんけど、それは何かの力が働いてると思う。
紗羅ちゃんはそれに、心当たりある?」


志木が見つけた情報
ある孤児院を調べて、紗羅ちゃんが椿の家に引き取られた情報も得た。

でも、サトルの情報はひとつもない



しかし紗羅ちゃんの瞳は揺れなかった。『知らない』そう答えた

そうか


なら、引き取った先が情報を隠してるのかそれとも、施設側が情報を残さないようにしたか

サトルは里親に恵まれず、転々としていたと紗羅ちゃんから聞いてる


どのタイミングで…情報が消されたか
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