愛は惜しみなく与う③
あたしの本音
あたしだって、いろいろ話せる女の子の友達欲しかったよ。
理解できなくても、恋愛の話だって、聞くよ

けど


「みんな離れていく」


あぁ、そうか。あたし悲しかったんやな。ほんまに紗羅ちゃんと友達になれると思ってたんやな

寂しいな


泉に頭を抱え込むように抱きしめられて、泉の服に顔を押し付けた


何も言わずにポンポンと頭を撫でてくれる。泉は、離れへんよな

あたしの側から居なくならへんよな


「俺は、杏がもういいって言っても、離れないよ」


思ってる事が伝わったのか、欲しいタイミングで欲しい言葉をくれる泉はきっと


エスパーだ



落ち着いてから、再びのんびりと歩き出す。夏だから陽が落ちるのは遅いが、流石にそろそろ暗くなりそうだ


「志木さんの飯、すごいよな」

「やろ?あれ初日やからとかじゃないで。毎日あのクオリティを短時間で仕上げて食卓に並べるからな。執事選手権とかあれば、確実優勝やわ」


あ、でも口悪いしあかんか
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