愛は惜しみなく与う③
「お久しぶりですね、小娘。相変わらず馬鹿力で」

「相変わらず、陰湿な奴やな」


とりあえず言い返して、数枚受け取ってあげた。あたしに親切にされると苛つくみたいやし、親切にしてやる!!!

そう思ったが、あたしの手からベニヤ板は離れて、泉の手に渡る


「杏は重いものはいいよ」

「ありがと」


さすが泉!
ふん!とゴトウさんから視線を逸らすと、ゴトウさんの視線を感じた


「おいおい、ゴトウ、嬢ちゃんに嫉妬してんのか?きもいぞ」


ハザマさんが、再びタバコを二本くわえながらこちらに来て、ゴトウさんの方と、あたしを交互に見ていた


「ひどくない?なんかあたしにめっちゃ冷たいねん!」

「こいつ、組長と泉の言うことしか聞かねーからなぁ。頭も硬いし。嬢ちゃんに嫉妬してるだけだから」


どう言うことや。あたしに何を嫉妬するねん


「ゴトウ、杏につっかかるなら、お前今日は事務作業してろよ」


「坊ちゃん…」


突然悲しそうな子犬みたいな目になるゴトウさん。

いやいや、泉のこと好きすぎるやろ
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