愛は惜しみなく与う③
「ごめんな、嬢ちゃん。泉の好きな子が嬢ちゃんだってわかった時嬉しかった。俺は泉のこと大好きだからさ。クソガキだけど、まぁ息子のように思ってた

ただ…嬢ちゃんがサトルの女だって知ってから…どうしたらいいか分からなくて」


「サトルの女って言い方やめろ!!!違う!」



この人はいったい…



「嬢ちゃんが、素直に時の流れに身を任せれば…嬢ちゃんも、泉も、烈火も…
これ以上傷つかない。これは俺が約束する」


「あんたは、サトルの何?」


背の高いハザマさんを、下から睨みあげる

この人はサトルと近い

何かを知ってる

これ以上傷つかへん?!



「あの時以上に、傷つくことなんてない!!あれがあたしの中で、あたしの人生の中で1番辛かった出来事や!!

あれ以上のことなんて、起こってたまるか!!」


感情のままぶつける


しかし、そんなあたしの言葉を聞いて、ハザマさんは、悲しい顔をした




「それ以上の悲しみが待ってるから、言ってるんだ。逆らうな。受け入れろ」



そうしたら、嬢ちゃんの精神は、それ以上壊れないから




そう言い残して



ハザマさんは、あたしの目をまっすぐ見た



< 391 / 410 >

この作品をシェア

pagetop