愛は惜しみなく与う③
「とりあえず、私の部屋へどうぞ。そこなら安全ですし、話も聞かれません。」
ゴトウさんの後を、泉に支えられながら歩く。
離れの一室の前
ゴトウさんの部屋らしい
「俺、扇風機とってくる」
ゴトウさんの部屋は暑く、エアコンもない様子。泉は少し待っててと言い、部屋を出た
ゴトウさん…
「ハザマさんと居たことは言わんといて下さい」
「…坊ちゃんも、あなたとハザマさんが一緒にあの場を去ったのを見ています。まずは、坊ちゃんもハザマさんを疑うでしょう」
「うん。でも、あたしが話したいから。ゴトウさんは言わんといて」
じーっとあたしの顔を見て、再びため息。
「分かりました。私からは何も言いません。ただ、坊ちゃんを悲しませることだけはしないで下さい」
「…うん。分かってる」
だって約束したから
どんなことでも、もう泉に
嘘はつかないって
話すから、少し整理する時間をください
「わりぃ。むしろ、親父の部屋で話そう。そっちのが涼しいから」
汗をかきながら泉はゴトウさんの部屋に戻ってきた