愛は惜しみなく与う③

「大丈夫。」


言い聞かすようにそう言う

大丈夫って言わな、大丈夫じゃなくなるから、あたしは大丈夫って言う

そう言い続けるよ


スコーピオンに近づいてるねん

大丈夫な訳ないよ

今にも、情報屋に圧力かけて、手出してでも、居場所や情報を吐かせたい

どんな力使ってでも。

あいつを追い詰めれるなら、手段は選ばへん


そう思ってたけど


また人の温かさに触れてしまったから


すこし弱くなった


たまに、高校に通わなければよかったと思う時がある。だって楽しいから。居心地がいいから。

泉達に出会って、自分を認めてくれる人たちの中で…



あたしは自分を殺さなければならない


そんな状況に、ふとした時に嫌気が差す


水をもう一度飲み干して部屋に戻る


切り替えれる。大丈夫
明日は楽しまなあかんな

時計を見ると夜中の3時


出発は7時

あと3時間くらいなら寝れるかな


もう一度布団に入り、嫌な夢を見ないようにと祈りながら目を閉じた


なんだか、嫌なものが近づいている


そんな気がしてならない
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