愛は惜しみなく与う③

何事もなかったような顔せんといてよ。

「女の子達！なんかされたら可哀想やろ」

「……わかった」

すんごい間あったけど！？
とりあえず喧嘩してもええし、なんとかして。


「なんだよ？1人選んで楽しむんじゃねーの？」


泉の顔を覗き込む嫌な男。
ほんま、すごいわ。ようこんな凄いオーラだしてる泉に近づけるわ。
あたしなら、絶対近づかへん

その時、あのドジっ子ツインテールが男に手をつかまれる。


「離してください！」


腕を上に挙げられて、必死のツインテール。もう！なんなんよ！


「離してあげて。あんたらとは遊ばへん。他当たって」


ツインテールを掴む指に、自分の指をかけて引っ張る

少し顔色が悪くなる男


「どうしたん？早く手離さな、あんたの指折れんで？」


ワナワナと拳が握られる

……くる

ヒョイとしゃがむと拳が、頭上の空を切る
ツインテールは無事。すっ転んでるけど

あーあ
あたしに手あげたし、泉が怒るわ





「杏に当たったらどーすんだよ」



スキンヘッドの男の頭を鷲掴み
いや、笑ってまうしやめて