愛は惜しみなく与う③
ならいいんだけど、とそう言ってあたしの隣に座る
「あいつが誰かが怪我して焦ってるの、初めて見た」
「そーなんですか?過保護そうやけど…」
日頃からなんか、お父さんみたいな時あるし。わりと過保護な総長やと思うけどなぁ
クスクス笑って海斗さんは、少し昔の話をしてくれた
「昔さ、あいつを烈火に誘ったの、俺なんだよね。歳上と喧嘩してさ、返り討ちにしてるのを見て、なんかこいつ欲しい!って思った訳!
どこの中学だろって、調べようと思ったら、なんと!!!」
なんと!!なんだと思う?とあたしに尋ねてくる。そんな問題形式でいく?
うーんと、考え出した時、あたしを無視して海斗さんは話し出す。おい!ってツッコミは入れないでおく
「喧嘩終わってさ、あいつ立ち上がって、血も出てるのに、傷口も気にせず服の砂だけはらってた。」
あーーなんか分かるわ。
まじで自分の傷とかも興味なさそう。はぁ、終わったか。だるかったーって思ってそう
泉を想像して少し笑う