愛は惜しみなく与う③
「それ以降、俺は一回もあいつに勝てない」
「潔いなぁ…ある意味」
「でしょ?俺別に、そこまで喧嘩も強くないんだよなー」
烈火が好きで、ただただ楽しかった。みんなでバカをやるのが楽しかっただけだと言う
まぁ、世の中チーム作ってるような人たちは、みんなそんな感じよ
「俺が卒業するときに、泉を総長にしたんだ」
「そうやったんや…泉もええ人に見つけてもろたな」
だろー?俺やっぱすげーわと笑う
「昔さ、俺がヘマして、敵対してたチームに拉致られてリンチされたの。そん時助けに来てくれたんだ、泉が。それも一人で」
「リンチって…」
「まじでサンドバック状態。死んだと思ったよねーあの時。そしたらさ、急に倉庫の扉が開いて、金髪の男が一人立ってんの。俺は20人くらいに囲まれてるのに、一人だよ?
で、お前誰だ!何しに来たって聞かれて、あいつ、その問いには答えずに、俺に向かって『弱い奴の下にはつかないって言ったろ』って言いやがったんだぞーーー!」
生意気な話をとても楽しそうにする海斗さん