愛は惜しみなく与う③
泉は海斗さんには目もくれず、あたしのテーピングの固さを、きつすぎないか?緩すぎないか?と気にしている
なんか面白いな
「うん、これで大丈夫。ありがとう」
動かしやすい、かつ、痛くない
湿布はってもらったし、明日には治りそうやなぁ
ソファには、隣に泉が座る
何故かじーっとこっちを見るもんだから、少し視線を逸らす
どこみとんねん!
「他は…今日は何もされてないか?」
「うん。大丈夫やで?泉も走ってきたん?汗かいてる」
海斗さんに貰ったスポーツドリンクを泉に手渡す。さんきゅと言って受け取り、ゴクゴクと飲み干す
「泉くらいやで?あたしを女の子扱いするん」
ふと思ったことを言ってみた
自分で言うのもなんやけど、女の子って感じはせんと思う。男勝りやと自覚してる
志木はあたしを女の子扱いというよりも、世話焼いてたかんじ。あとはもう、使命のようにあたしの心配とか、身の回りのこととか…もちろんたくさん助けてもらったけど
でもそれは、女の子扱いって感じではない