愛は惜しみなく与う③
「女の子はまかせて!あたし連れてくるわ」
「…あなたを危ない所へ行かせると、泉がうるさいんです。私がします。あなたは拓也の手当てお願いできますか?」
そうか
まぁ右手一応怪我してるしな
泉もいるなら大丈夫やろ
と思ったが、そこに泉はいない
どこいったんやろ?
新は、さっと走ってあの集団の中へ入って行ってしまった。
そして少しして、あ…始まる
そう思った
やっぱり海って、こうなるよな〜
怒鳴り声や何かがぶつかる鈍い音
綺麗なビーチで聞こえてはいけないような声がする。
「お?杏ちゃん大人しくしてるんだね」
「海斗さん!?ええの?こっちきて」
「当たり前じゃん!俺経営者だよ?喧嘩しないよー。喧嘩はあいつらに任せてる」
いやいや、さっきあの集団の中で、相手のこと煽ってたやん…
俺は大人だからもう喧嘩しない!と言う海斗さんだが、やれ!やれ!と声を出す
はぁ。なんか恥ずかしい
負けることはないやろうけど、大丈夫かなとチラチラ見てみるが、殆どがもう砂浜でのびている