愛は惜しみなく与う③

「海斗さんに声かけて、宿に戻ってろ」


泉は相手を見向きもせずに、慧にそう言い、その言葉にわかった!そう笑顔で慧は返す。

えっと…?


「泉1人で十分だから、ギャラリー減らしてさっさと温泉でも入っておけ!ってな感じに翻訳できるかなぁ!」

笑う海斗さん。そんな翻訳になる?今のあの言葉で!
そう思ったが、みんな伝わってたらしい


「はーい、終わり終わり!散った散った!」


朔の大きな声がして、烈火のメンバーはギャラリーに寄ってこの場から離れるように誘導する

みんな朔や慧達が近づいてきたことにより、わーわーとそっちばかりに目がいっている。


でも泉はその中で、淡々と物事を進めていた



会話は聞こえないが、相手の男達は全員、泉に頭を下げて、逃げるように反対側へ走っていった

すごいな
ボス感がえげつない


怖い顔の人たちがいなくなり、ばーーっと女の子達は、メンバーに駆け寄ったり、泉の元へゆく


探してるのに見つからへん
………あ!見つけた


「海斗さん、拓也みといてや」

「へ?う、うん」



間に合うか?違う、間に合え!
足は怪我してへんねんから!
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