愛は惜しみなく与う③
紗羅ちゃんのワンピースの生地を触る
なんかヒラヒラしてなくて、硬い感じの生地。
それに裾が広がってないから…足開けれへん
「足開くこと考えて服着ないよ?」
「たしかに」
2人して爆笑
そらそうや。足開く前提で服選ばへんな
あたしはまぁ
わりと動きやすさ重視のところがあるから、こういう格好になるよね
あのスカートで足技するとなると、太ももまで捲り上げなあかんわ
やっぱり、いざと言うときのために、動きやすいに越した事はない。
やしあたしは
東堂の家に居る時以外、ヒールも履かない
「ねーねー!杏ちゃん!今日は恋話しようね」
「こ?こいばな?!」
なんと麗しい響き…じゃなくて
「あたし話すようなネタないで?」
ほんまに。そんなキラキラした話ない。
武勇伝とかならいっぱい話せるけど?紗羅ちゃんの求めてるものは、そんなんじゃない
「嘘だよ!絶対烈火のみんなと何かあるでしょ?」
「ないよ。ほんまにない」
恋人と仲間は違う
と言おうとしたけど、紗羅ちゃんに、仲間っていう感覚がわかるとは思えず…