あなたと。
『ビックリさせてごめんね!』
『ううん!』
『お兄ちゃんと幼なじみで幼い頃遊んでて!』
『いいね!そう言うの!』
『中学の時に私から告白して付き合ってくれて』
『中学って!長いね!』
『意外だよね!すぐ別れると思ってたけど!』
『すごいなぁ!一途って!』
『優月って子供いるって事は旦那さんも?』
そう聞くと少し気まずそうな顔をした。
『ごめん!言わなくていいよ!初対面なのに』
『瑞希とはホントに仲良くなりたいって思う』
『だからって言えない事もあるよね!』
『だからこそ今知ってて欲しい!』
『ん?』
『娘ッ!結実って言うんだけど!』
『結実ちゃんか!』
『父親は高校の同級生だった!』
『そうなんだ!』
『結実は私にとって2人目の子供なの』
『えっ?』
『結実を妊娠する4ヶ月前に結実の父親との間に1人目を妊娠したの!』
『うん』
『でも・・・相手は反対して生ませてくれなかった』
『そっか』
『中絶してツラかったけど交際は続いた』
『うん!』
『その中絶から4ヶ月後に結実を妊娠した』
寂しそうな顔で語る優月。
『その時.妊娠したって相手に告げたらなんて言われたと思う?』
『えっ?』
『俺はその子を生むにしても生まないにしても別れる!って言われたの』
『そうなの?』
『どうせ別れるなら生んだ方がいいじゃん?』
『そうだね!』
『中絶後の妊娠だったから両親には激怒されて』
『うん』
『でも許してくれた!』
『よかった!』
『結実が生まれてきてくれてホントによかった』
『そうだね!』
『でも両親が亡くなってね!結実の父親に親権取られそうになっちゃって!』
『今は大丈夫なの?』
『わかんない!もしかしたら奪われるかも』
『どうして?それはおかしいよ!』
『瑞希!落ち着きて!』
『だって結実ちゃんを拒否した男でしょ?許せないよ!優月!負けちゃダメ!』
『瑞希!』
『出来ることなんて限られてるかもしれないけど私は!優月と結実ちゃんの味方だよ?』
『ありがとう!瑞希!』
『うん!』
『この転校は逃げるためでもあるし!私1人でも結実を立派に育てるっていう意地でもあるの!』
『一緒に頑張ろうよ!優月!』
『うん!』